TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 続」第9話の感想
今日は短い。
書くことないわけじゃないんだけど……正直ユーフォニアムにリソース取られててつらい。あとスプラトゥーン。
原作10.5巻までのネタバレありで、「続」8話「それでも、比企谷八幡は。」の今回も大間違いの感想です。
9話は雪乃さんの「いつか、私を助けてね」がありましたね。
おれはもっと勢いというか、流れでふっと口にしてしまう感じを想像していたんだけど、アニメの印象は違った。
かねて覚悟の、という発言に感じられた。
スプライドマウンテン降りた後、妙に口数多く八幡にいろいろ話すのも、言わねばならないことを言い終えた開放感、みたいに見えてくる。
だとしたら面白いなぁ。
彼女なりに、必死に考え、推敲し、あれこれ思い悩んで、迷い、ためらい、その末にようようの思いで口にしたんだと考えると、ああ、うん。なんかものすごく雪乃って感じがする。
「本物が欲しい」
と八幡が言ってくれたことへの、彼女のせいいっぱいの答えのつもりなんだろう。
片や、由比ヶ浜さんが堅実なヒロインの仕事を積み重ねて、ディスティニーシーでのデートの約束を取り付けたりとか、正しいラブコメ道とはどうあるべきかの模範を示してくれているのに、まったくこの子ときたら……
ずれてるよなぁ。彼女なりに必死で誠意をつくしているつもりなんだと思うんだけど。
それでいて、あんなライドが滑り降る瞬間、八幡が一番返事しにくい瞬間に言っちゃうのも、ついつい「いつか」と言っちゃう、そのズルさというか、弱さというか、ヘタレた感じも実に雪乃さんらしい。そんなに返事が怖いんだったら言わなきゃいいのに。
このセリフは、雪乃さんが八幡の「本物が欲しい」をどう受け止めているかということの、表れのひとつなんだと思う。
そのあたりは「曖昧な言葉で話をした気になって、わかった気になって、何一つ行動を起こさない。そんなの前に進むわけがないわ……。何も生み出さない、何も得られない、何も与えない。……ただの偽物」というセリフとからめたいから、また今夜放送の10話を待ってから話したいと思うけど。
それもそうだけど、びっくりしたのが、3巻のクレーンゲームのシーンな。
一期でバッサリカットだったのが、突然、回想シーン挿入で、アニメ史的にもあったことにされた。
これは衝撃。
雪乃さんのパンさん好きが始まった原因、小さい時に誕生日プレゼントに原作の原書を贈ってくれた人、って、由比ヶ浜さん高校一年生時代の沈黙の謎と並んで、俺ガイル今後の展開を揺るがす切り札的伏線になりうる、とまぁこれは例によっておれの勝手な思い込みだけど。
でも、前期ではなかったことにされたし、なんだ伏線じゃないんだ、やっぱりおれの読みあたらねー、と思っていた。
それが此の期に及んで復活である。
なにやっぱ、使うの? 伏線なの?
だといいなぁ。
おれは以前、例えば葉山の兄的存在のイケメンとかからもらったプレゼントだといいな、とか書いた。でも、あれだな、同年輩の外国人の幼馴染の男の子とかでもいいかもなと思った。中学時代の留学って、その彼の家にホームステイしていた、とかさ。おお萌える!
なんにしろ、八幡のまだ知らない男だといい。
パンさん可愛いとか雪ノ下も意外と女の子っぽいとこあんだな、とか微笑ましく見ていたその特徴が、実はその男のことをずっと思い続けている証だったんだ、とか、恋愛もの的にちょー熱い展開。おお燃える!
八幡はそう思って、なぜかショック受けちゃって、ショック受けた自分に戸惑ってなんだかよくわからない感じになって、とか。
でも、雪乃さん的には、ららぽでそのぬいぐるみを取ってもらったその日から、パンさんが象徴する意味が少しずつ変わってきてたりする。いま、パンさんの凶悪に淀んだ「かわいくなくない?」その目が、別の誰かを思い出させる。
でも、混乱している比企谷くんには、わからない。雪乃さんが、熱っぽく向けるその視線が、そのクレーンゲームの景品を通して、一体誰へと向かっているのか。
なんて展開はあくまでおれの脳内にしかありません。間違った空想は健康に気をつけてほどほどにね!
しかし、意外だったのは
「あなたにも、わからないことはあるのね」
「これくらいのことはあなたも考えていると思っていたから」
あたりがカットされていたこと。
スプライドマウンテン降りた後に「あなたも私にないものを持っている」って言うから、いいだろうという判断なんだろうか。
でも、それって後に続く「ちっとも、似てなんかいなかったのね」というセリフとほぼ同等の意味に聞こえるし、だから八幡も気にせず「そりゃそうだ」と頷くわけで。
雪乃さんの脳内八幡の無敵っぷりを語るには、言葉が足りない。無印でも6巻の「誰でも救ってしまうのね」がカットされてしまったしなぁ。
おれが誤読する限りでは、雪乃さんは八幡を猛烈に買いかぶって、美化しまくっているように思うんだ。雪乃のハート型ビジョンを通してみる八幡は、あたかもフレデリカ・グリーンヒルがヤン・ウェンリーを見るがごとく、超絶聡明優秀天才マンのはず。だから8話でも「わかるものだとばかり思っていた」わけじゃん。
その、「ゆきのちゃんがかんがえたさいきょうのはちまん」と、彼女の横で一緒に生きていけるはずの現実の比企谷八幡のギャップ、というのが、今後の雪乃さんにとってすごく重要な問題になってくるとおれは思っている。おれの勝手な想像だけども。
八幡が5巻のあたりで通過した、自分が相手に身勝手な理想を強要して、相手の現実を許容しない、という自覚。おれは、雪乃さんはまだ十分持ってないと思うんだ。
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コメント
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こんばんは。初めまして、竹丸といいます。
おれがいるを、今年のアニメで観て知りました。
雪乃さんが、八幡の服の袖を摑み、彼に心から触れたいのを感じた上で、いつか私を助けての言葉はまるで告白のようでした。
投稿: 竹丸 | 2015年6月 9日 (火) 23時23分
はじめまして竹丸さん。コメントありがとうございました。
素敵なシーンでしたね。私もまるで告白のようだと思いました。
いったい何を告白したのか、についての私の空想は
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」9巻の感想 その3
http://do-not-trust-over30.cocolog-nifty.com/nipopodai/2015/06/93-a994.html
にも書きました。ご笑覧いただければ幸いです。
投稿: にぽぽだい(管理人) | 2015年6月11日 (木) 14時19分