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2013年5月 5日 (日)

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の話 その3 アニメの話そろそろしようか

前回、おれが書いたラノベのイメージって、実は坂口安吾の云う「ファルス」「笑劇」「茶番」のイメージを重ねているつもり。

っても、おれの勝手な理解なので。安吾の云った「ファルス」はそんな意味じゃねー、うん、きっとそーだ。

ただ、どこがとうまく言えないんだけど、渡航の文章に安吾の平仄を感じることがある。きっとこいつ、坂口安吾好きに違いあるめーよ、とおれは勝手に信じ込んでる。

 

アニメは見ています。第5話まで視聴済み。

公式で「アニガイル」と自称してた。えー……。

そろそろアニメの話書く。といっても原作との比較の話になりそうだけど。

というわけで、原作7巻までのネタバレありで、アニメ第5話までの感想を以下に。

 

 

 

どうでもいい話だけど、おれには密かに、ここに悪口と政治と宗教の話題は書かないという自分ルールがある。

だから、ここに書く以上、アニガイルを決して悪くは書くまいぞ。

そうとも、絶対に悪くなんか、書かないんだからね。

と、改めて自分の胸に誓いつつ。

 

ただ、良く書けるかというと、ちょっと自信ない。

原作が好き過ぎて、というか、原作者が好き過ぎて、良し悪しが判断出来ない。なんというか、身内感覚というか。

アニメも、おれ自身がどう感じているかより、世間の視聴者がどう受けとめているかが気になっちゃってダメだ。「ウチのわたるが、皆様に優しくしてもらえているかしら」みたいな感じ。なにそれキモい。オカンかよ。

 

それでも一つ、はっきり言えるのは、江口拓也、すごい良い。

第3話、戸塚がらみで「エー何この気持ちぃ……」ってモノローグも良かったけど、第5話クライマックスの「そんなのはやめろ」が、絶妙だった。

本当に良かった。

原作読んでて、あの下りは第一部1〜3巻の中で、いちばん好きになったところ。

あの「そんなのはやめろ」の時、八幡は怒っている。

原作では彼もそう自覚しているけど、自覚以上に激怒しているといっていい。断じて激おこじゃなく。

でも、別に、由比ケ浜が怒られるようなことをしたわけではない。彼女は、ただ、八幡という人間が理解出来ないだけなんだ。

おれ個人は、正直、八幡はもっとはっきり怒っちゃっていいところだと思う。相手に悪意がなければ許せる、というようなものではない。

でも、八幡は、自分が由比ケ浜に感じる怒りを、理不尽だと感じる少年なんだ。そこが「優しくて正しい」ところなんだと思う。

だから、「そんなのはやめろ」と発する声に、怒りが混じってしまうのを恥じる。

この感じ、江口拓也の表現は、すごくうまかった。

 

この時の八幡の怒り、そうだな、確かに理不尽と言っていい怒り、自意識過剰から来る傷付いたナルキシズムの怒り、そうやって怒ること自体が、顔を覆って「うわーっ」って床を転がりたくなるほど恥ずかしい、そんな怒り。

最新7巻で、葉山に謝られて、羞恥心と怒りで拳が飛び出しそうになる。その感情と、この2巻の怒りは何処かで通じている。

この怒りに、どのくらい共感出来るかが、俺ガイルという作品が、刺さってくるかどうかなんだと思う。

 

由比ケ浜さんには、非の打ち所がない。

美人で、善良で、親切で、なにより弱者に優しい。

その優しさに誘惑されるのも、ウソではない。

そんな彼女が、欲しくて、欲しくて、たまらない。そんな風に感じる瞬間も、きっと珍しくない。

でも、高々そんな程度の欲望に、自分自身を売り渡せない。

八幡は敏感すぎる。その記述は、原作のまさにこの下りで書かれる。

気付かないほど鈍くない、気付かないフリをし続けるほど、残酷でもない。由比ケ浜の、彼に対する優しさが、恋慕の眷属だということを、八幡はおそらくはっきり自覚していた筈だ。

そして、まさに、彼女のその恋情が許せない。

多分、本当に彼女が誰にでも優しくて、彼に対しても、ニュートラルに、他の人と同じ優しさで対するところから始めて、そういう歳月のうちに、少しずつ今を生きている彼を知って、恋を育んでいったのだとしたら、彼もここまで傷つけられなかったろう。

原作では、特に2巻では、ギャグパートで、由比ケ浜さんが、度々、八幡の地雷を踏み抜いて「お前は俺の心の地雷処理班なの?」「察しろよマジで」八幡涙目、といった小ネタの数々がしっかり描かれていて、彼女の鈍感さ、無神経さ、対人関係のスタンスの八幡との違いを、さんざん笑ってきた後なんだ。

だから腹が立つ。何だそれ、と思う。それで俺が犬を助けたから好きとか、脳内お花畑なの?

お前が、俺の何が分かる?

一人で過ごす時間の何を知っている?

お前とともに過ごす時間の方が、俺の一人の時間よりマシだと、一体どうして、そんな図々しいことを思えるの?

バカにするな。

彼女の恋は、確かに、比企谷八幡の、これまでの生き方をその苦痛も、孤独も、喜びも、充実も、一緒くたに踏みつぶしていく。

それが、惨めで、後悔に満ち、誇ることが出来ない人生だったとしても、他人から、上から、見下ろされて、蔑ろにされてしまうのは、受け入れられない。

たかが、犬一匹助けた善行だけで、量られたくない。

八幡がそんな風に怒っているように、おれは想像するのだ。

ギャグパートがそういう形で伏線になっているのは、抜群の構成力だとおもうのだけど、アニガイルではその辺、視聴者の皆さんに通じているだろうか、とおれは余計な心配をしている。

 

「俺ガイル」のテーマは、「真と偽」だと書いたな。

あれはウソだ。

タイトルにはっきりあるように、ラブがメインテーマの話なのは明らかだ。

八幡の表現で言えば「強要」。

誰かに恋をする、それ自体が攻撃的である。告白する、交際を求める、というのは、侵略行為に他ならない。

「俺ガイル」の、恋愛についての考え方は、そんな感じだと、おれは理解している。

八幡は、加害者の側から、それを繰り返し学んできた。

「なにそれキモい」と拒絶され、「ナルヶ谷くん」と揶揄されて、無論、彼も傷付くわけだが、しかし相手の子からして見たら、八幡はマジでキモいだろう、どう考えても。

相手の少女がどんなに嫌そうに口ひん曲げてみせようと、「友達じゃダメかな」「昨夜はもう寝てた」と嘘をつこうと、それは当然の反撃であって、八幡が攻め込んだことが悪いのだ。

相手の少女が嫌がるかもしれないという想像力も無く、そんなやり方で反撃するタイプだという相手の個性への理解も無く、自分の「好意」をむき出しで押し付ける、自分の図々しさと幼さこそ恥じるべきだろう。

 

単純な話、八幡は由比ケ浜のこと、好きじゃない、ってことなんだと思う。恋愛対象としては。

確かに男子は単純で、ちょっと可愛い女の子が少しなついてくれたら、カンタンになびく傾向がある。

それは八幡自身が云う通りだ。 でも、それもいつものことじゃない。八幡の場合は、中学までの話だろう。今は、既に訓練されてしまっている。

どんなにいい子で、可愛くて、巨乳の美少女だろうと、恋しくないものは、恋しくない。

ただ、普通、こういうことは、とりあえず何度か恋愛的な交際してみて、その中で幻滅と脱錯覚を繰り返して、ようやく学ぶものだ。

だから、アニガイル5話の時点で、それまでまともな異性交遊も友人関係もなかった八幡が、無自覚なのも仕方ないと思う。

 

それに、由比ケ浜さんが、一方、本当に良い子なんだ。

優しくて、誠実だ。バカ、あるいは、勇敢と言っていいほどに。自分の孤立を恐れず、雪ノ下や八幡との新しい関係を築くために踏み出すことが出来る。この世界の中では、きわめて稀な在り方だ。

八幡もこの点、由比ケ浜に好意を、いや、それ以上にむしろ敬意を払っている。

そして、このいい子が、誰かを恋したとしても、それは、それ自体は無理もないことで、全然悪いことではない。むしろ可愛らしくて、微笑ましいことだ。

彼女は悪くない。全く。これっぽっちも。

だから、八幡は、由比ケ浜の恋からどんなに侮辱を受けても、彼女に怒りを向けられない。

上手くいかないのは、自分がひねくれていて、臆病で、卑劣だからなんだ、と。人の好意を信じる勇気がない、ぼっちの自分がぼっちだからだ。

無理にも自分が悪いことにする。

だから、話が、好きの嫌いのということになる前に、自分から、優しくされること自体、感謝はするけど、別に必要としていないんだよ、と言い出す。自分は狷介で、気遣いをありがた迷惑と感じてしまうタイプなのさ、と彼女の幻滅を誘う方向へ動くのだ。

 

なんて感じの複雑な葛藤が、十分にこもった「そんなのはやめろ」だと思った。

というわけで江口拓也君がとても気に入っている。

彼がドラマCDで比企谷八幡に抜擢されたのが2011年11月のことだから、多分丸1年半くらいは、ずっと八幡の役作りをすることが出来たわけで、それが生きているんだろうか。

原作者のtwitter見てると、同い年の江口君とは大変良い関係みたいで「えぐぅとホモっている」みたいなtweetがあがってきたりして、大変、捗ります。

コミュニケーションが上手くいっているところも良いんだろうな。

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コメント

自分も江口さんの演技が気に入って視聴してます
他の女性声優陣も良いですが、八幡が一番ハマってますよね

コメントどうもありがとう御座います。
良いですよね、江口君、ほんとに。
でも、檜山さんも近藤さんも、ばっちりだと思うんです。
ビックリしたのが、戸部ッチ役の堀井茶渡三。激ハマり。
毎週たのしみですね。

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