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2012年6月24日 (日)

アニメ「氷菓」感想 第8話「試写会に行こう!」

現在、第9話まで視聴したところで書いているんですけど。
いつもいつも後出しじゃんけんで、卑劣極まる結果論ばかり書いているおれなのだけど、今回は身の程知らずにも先の展開を予想して、恥をかいてみようかな。いつも以上に断定的に、な!
これ以下は、9話までのネタバレと、おれのデタラメな想像でできています。ご注意ください。

さて、ミステリなるものに無知なこのおれに、「氷菓」が教えてくれたミステリの魅力とは、依頼者の訴える謎、探偵の探る謎、被害者の告発する謎、物語自体が読者に提示する謎が、悉くすれ違う美しさを鑑賞することだった。
果たして、「女帝」入須冬実が提示する不可解千万な謎と、千反田さんが気にする謎が、早速噛み合わない。
女帝は「映画の中の犯人は誰?」と問うのだが、千反田さんが気になっちゃうのは「なぜホンゴウさんは信頼と体調を損ねてまで、途中で脚本をやめなければならなかったのか」だったりする。
もちろん、このどちらもが、このエピソード”Why didn't she ask EBA?"の真の謎ではないのは、明らかだろう。

女帝の依頼はあまりにも奇妙すぎる。
女帝は言う、「ホンゴウは死んでいない」。だとしたら、なぜ、プロットをホンゴウに訊かないのか? Why didn't she ask HONGOU?である。口が利けないほどの重症? あるいは「倒れた」のは口実で、別の理由で、話せないのかも。
まあ、そこはいいとしても、本当に「自己満足でもいいから完成第一」と考えるなら、当初のプロットなんかどうだっていいじゃない。それこそ、沢木口先輩が言うようなホラーだって、いや、もうコメディだって、SFだって良い。
それをせず、あくまでホンゴウさんのオリジナルプロットにこだわるのには、明らかに映画の完成以外の目的があるのは、間違いない。

千反田さんの着眼点の方が、より、本質的なのか?
このエピソードが「氷菓」のシリーズに連なる以上、第6話、第7話で繰り返し強調された共通テーマ、千反田えるがなににそんなにも傷ついたのか、に迫る手がかりとなる一編である筈だ。
その観点から言うと、千反田さん本人の発する「なぜホンゴウさんは途中で脚本をやめなければならなかったのか」という謎は、いかにも怪しい。ホンゴウの描かれ方が、繰り返される「悲鳴もあげられず、生きながら死んでいく犠牲」のイメージをそのままなぞるからだ。
しかし、これは派手なミスディレクションにちがいない。千反田さんがこういう「犠牲」のイメージに敏感だ、ということを強調する以上の意味はないだろう。
だって、千反田さんが、そんなに素直に一番大事なことを口に出せるわけがない。

まずは、もっと素朴にキャスティングと演出を味わうべきだ。並み居る出演者の中に一人だけ岩下志麻がいたら、明らかに犯人に決まっている。
その観点に立てば、どう見たって、このエピソードの犯人は、女帝だ。女帝だろう。女帝がやらずに誰がやる。
シリーズ全編の究極の謎、とおれが目する千反田さんの傷つきが解き明かされていく過程でも、幼時から家ぐるみの付き合いという女帝のキャラクターは大きな手がかりになる筈で、序盤にはられる伏線として、この頃合いで重点的に描写されるのが必須な感じだ。
もしも犯人でないなら、探偵か、被害者だろう。
そして、おれは、あえてこう主張しよう。その、すべてである、と。
彼女が犯人として起こす事件、探偵として追う事件、被害者として巻き込まれた事件が、三つ並行して起こっているのだ。……だと面白いなあ、という話だ!

さて、その事件とは、どんなんだ、ということなんだけど。
気にならないか? 2ーFのクラスあげてのお祭り企画が、女帝抜きで企画されたという事実が。
おれは気になります。
他の学年にも雷名轟くカリスマが同じクラスにいて、敢えて、彼女をハブにする。その行為はたまたま偶然か?
おれはそう考えない。これは、いわばクーデターだろう。
女帝の副官然とした江波倉子が「私の親友です」と語るホンゴウマユは、やはり女帝にとって副官的な存在だったのか。その関係から、的にされたのかもしれない。
そうでなくても、夏休み終了間際に、女帝に面倒事を押し付け、女帝の力不足で映画が完成しなかった、と言える状況が作れるだけで良いのかもしれない。
これが、女帝が被害者となった事件なのではないか。

そのクーデターが何物によってたくらまれたのか、どのように実行されたのか。それが、女帝が探偵として追う事件なのかな、そうすると。
折木君はこの目的に利用するために、招聘されたのではないかしらん。
あまりにも手際良く並べられた、「探偵志望者」3人なんだけど、これがつまり、容疑者なのかな。
盛り上がる流れは、やはり、一見被害者に見えたホンゴウマユが首謀者だ、って展開だと思うけど。ベッタベタ。
 
そして、女帝が犯人となる事件は、なんだろう。
それは、すでに終わってしまっているのかもしれない。あるいは、今も進行しつつある、とも言えるのかもしれない(推理っぽくもってまわってみた!)
入須冬実が、女帝である。それが彼女の犯罪なのだ。
女帝の印象的なセリフ。
「技術の無い者がいくら情熱を注いでも、結果はしれたもの」
恐るべき達観だが、多分、これは彼女の実感だ。
統率もまた技術であろう。
彼女には、統率する技術があった。人材の才能・技術を見抜き、適材を適所に配する技術を持っていた。
そして彼女は、自分自身をも、適所に配した。すなわち、リーダーの座だ。
その判断は正しく、結果を出した。
しかし、適材にとって、適所にあることは、はたして幸福なのだろうか。彼女自身は、どれほど女帝である自分を望んだのだろう。
しかし、どういう経緯であれ、彼女はすでにして取り返しがつかないほど女帝であり、そして、この事件は、その反作用として起こっている。彼女が起こした事件、そういう見方を、他ならぬ女帝自身が一番していそうだ。

さーて、今週の「悲鳴もあげられず、生きながら死んでいく犠牲」枠。
女帝がこれを埋めるのではないか。
彼女の持つ技術の有能さが、彼女の選択を奪い、彼女を追いつめていく。彼女は自身の能力と立場の犠牲となっているのかもしれない。
 
彼女のあり方と、千反田さんとの交遊関係は、恐らく千反田さんの傷付きを探る大きなヒントだ。
くり返される「豪農千反田家」のフレーズ。
「疎遠になっている関谷家」
「私は兄弟が欲しかったんです。尊敬出来る姉か、可愛い弟が」
一人っ子なのに、福部君は「千反田家の長女」という呼び方をした。
古い血統の農家の子が、女の子一人だけ、という不思議。
少しずつ手がかりが集まってきた感じ。まだ決め手は無いけど、なにか、彼女の意思を超えた一族の問題、社会的な義務、しがらみを感じる。
そのあたり、女帝と千反田さんに共通点がある気がする。
 
女帝との共通点、というなら、千反田さん以上に、実は我らが折木奉太郎も持っている。
生まれや立場によって、というより、その技術と才能によって、犠牲の立場へ追い詰められていく、と見るなら、折木君の方が女帝に近いと言っていい。
第八話は、福部君から「ホータローの才能の評価は保留しておこう」と言われるやりとりで始まるのだった。やはり、才能の重圧に悲鳴もあげることが出来なくなる、その運命が描かれることが、今回のエピソードのメインテーマなのだろうか。
女帝を仲立ちとして、折木君が千反田さんとの関係を考え直したりもするのかな。
 
だいぶ話がそれた。
長くなったし、続きは、次回にしよう。本放送の解決前にアップ出来るかな……。

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