オーディンスフィア リプレイ日記26 「呪われ王子の冒険」第三章━ホームポイント━
当ブログにあり得ないほど、粛々とストーリーを追っております、コルネリウス編です。
コルネリウス王子が、死の国と、ラグナネイブルを通過することに、やっぱり意味があるんじゃないか、って気持ちがしつつ、一方、それは考え過ぎだろう、些かならず妄想的だよって自嘲してしまう今日この頃。
いろんな意味付けは出来るように思うんです。
以前、オルフェやイザナギイザナミ神話を連想したけども、そうやって眺めると、コルネリウス君の冒険は、オルフェの反対の道筋を辿っている訳です。それらの神話では、オルフェの妻、イザナミに与えられていたポジションからスタートしてるんですよね。
つまり、コルネリウスは死者なのかなあ、と。
だとしたら、えらく自覚の足りない死者ですよね。あくまでこれは「変身」だ、と言い張って。戻るのだ、帰るのだ、と、死の国の女王を叩きのめしてでも、無理を通していくわけです。
そうすると、やっぱり、テーマは否認なのか。
前々回、書いたことですけど「変身」って言葉は、実際に一時の仮の姿を取る、という意味、の他に、実は取り返しのつかない決定的な変化が既に起こってしまったのに、それを受け止められないとき。「これは一時的なものにすぎないのだ」などと、現実から目を背けるために使われたりもするのかな、って。
現実の否認。
そんなような気もしつつ、自分が続きを忘れてしまったのがいけないんだけど、おれが正月に書きかけていたことも気になっていたり。
「変身」という仕掛けが、むしろ、変わらぬ自分の核、みたいな何かをはっきり描き出すのではないか、みたいな。そんなようなこと書いてたじゃないですか。
うん、オーディンスフィア全体として考えた時、それはすごくわかる(そりゃ、自分で書いたことだしな)。
グウェンドリンも、メルセデスも、オズワルドも、ベルベットも、自身の訳の分らない衝動━━不安と恐怖、がほとんどのような気がする━━に駆られて、じっとしてはいられない。取りあえず走り出してみたけど、でも、何を求めてのことか、何から逃げ出してのことか。
しかし、走って走って、走って行くうちに、ふと。
ああ、そうか、と。
何かに出会う。
そんな何かの物語が、オーディンスフィアなのではないか、とか。まあ、例によっておれの勝手な想像ですが。
だとしたら、コルネリウスは、何者なのか。何と出会うのだろうか、と。
そこが話の焦点になってきたりするのかな、やっぱり。
でも、一方で、うーん、そうなのかな、みたいな。
だってさ、コルネリウス、ウサたんの姿が似合い過ぎなんだもん。
ああ、そうなんだよな。
本人的には「まるでケモノではないか!!」と、ありうべからざる悲劇のようなんだけど、っていうか、あなたはどう見ても、本物ですから。Natural born pookaですよ。
変身譚はみんなそうだ、と言ってしまうのは暴言なんだけど、まあ、いつものことですが。変身後の姿の方が、むしろ本質を暴いている、って所があるじゃないですか。ないかな。この王子様の場合まさにそう。呪われたというより、呪いが解けて正体を顕したという感じでしょ。おれはそう感じました。
うん、ロングショットで見たら喜劇、か。うまいこと言うな、23回目のおれ(自画自賛)。
そっかぁ、コルネリウスの物語は、基本、ロングショットの感じなんだ。
「まるでケモノではないか!!」という本人の愕然と、おれの視点に、ずいぶんと距離がある。おれだけかな? いや、狙ってると思うんだけどな、あの、耳をふぁさふぁさっ、ってラブリーさ加減とかさ。いかがなものでしょうか。
突き放している感じの演出。やっぱり、なんだか、人ごとなんだよ。だから、ちょっと滑稽だったり。妙に冷静に見れたり。
なんでこんな演出にしたんだろう。
ま、今はとりあえず、三章のホームポイントです。
市民
「…誉れ高いエドマンド王も昔と変わって
救国の英雄がまるで抜け殻…」
「裏通りは怪しい魔術師や犯罪者が
我が物顔で歩き回っておるわ」
へー、救国の英雄だったんだ、あのお父さんが、ねぇ。
どうせウルズールか誰かの政治宣伝なんじゃないの、みたいに最初は思いましけど。
オーディンスフィアの非常に興味深い特徴として、第一にあげたいのは、主人公の親世代の描写の充実だと思ってます。って、しょっちゅう「第一」が入れ替わりそうだな。ごめん、今のところは、ってことで、ひとつ。
オデット、ブロム、ミリスも含めた親世代キャラの中で、エドマンド王は特筆すべき明快な人だと思うんですけど。どうでしょうか。
「それで父はあんなに頑なだったのか」みたいに、子供の視点で得心がいく、って人は他に居ない。
市民(左)
「…先ほどコルネリウス王子を
通りで見かけたよ」
市民(右)
「最近の王子は怪しいこの界隈に
よく現れなさる」
「なにやら人が変られたようだ」
コルネリウス
『私が居るだって?
そんな馬鹿な』
『誰かが私に成りすましているのか
それとも一体…』
青商人
「しけた町タイタニアへようこそ、だ」
「儲かっちゃいないが何か見てくかい?」
市民商人
「その腰の金入れが盗まれる前に
うちの品も見てってよ」
台詞が簡潔に不景気を語る一方、商人数はよその倍。
本来豊かな経済力に不吉な陰りが見えている、という、すっごい分かりやすさです。
街並みや、中世風の庶民の衣装も美しい、おれの大好きなホームポイントの一つです。
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