オーディンスフィア リプレイ日記24 「呪われ王子の冒険」第一章━変身の可逆と死の不可逆━
いやぁ、久しぶり。こっそり更新です。
忘れかけていますが、コルネリウスなんですよ。
余りにも間をあけ過ぎて、正直、自分が何書こうとしていたのか、さっぱりおぼえておりません。
仕方ないから、自分で書いたものを読み返していたりしたのですが……
……。
いやいや……。
おれはこんなものを人目にさらしていたのか……orz
何言いたいかもよく分からんしなぁ。
うーん、書き直したいなぁ。まあ、しょうがないんだけど。
取り合えず、まずはホームポイントのセリフの回収しときます。
レブナント
「痛い痛い…」
「肉は削げ落ちても、この痛みは
永遠に変わることはない」
「せめて気を失うことが出来るなら
痛みも和らごうに
それも叶わぬ…」
女の亡者
「…どこにいった…
…毒を塗った私の短剣…」
「拾っておくれ…」
男の亡者
「…許されるべく祈っても
救いは無かった…」
女の亡者
「…罪深いあなた…
私の懺悔を聞いて…」
男の亡者
「…想いが湧いただの…
欲が出ただのと…」
「翻弄された我が苦しみ
飾り立てた言葉に隠された…」
コルネリウスの本筋とほとんど関係ない死の国の亡者たちの呟き。
誰もが皆自分のことで精一杯。小さなプーカのことなど、見向きする者などいない。
なるほど。
しかし、ちょっと思ったんだけど、おれの更新がコルネリウスんとこで止まっていたのも、なんかわかるかなぁ、とかね。
この小さなふかふかのプーカの物語、って、なんだか……人ごと、って感じなんです。
きわめて個人的な動機から、世界に対して、取り返しのつかないような干渉をしてしまったグウェンドリンの物語の直後だから、余計そう感じるのかな。
普通のRPGみたいな、巻き込まれ感というか、お使い感があって。
主人公というよりか、狂言回しなんじゃないか、と。世界が自分自身を語るために、その耳目を使っているような感じがします。同人とかでサブキャラの方が人気出るパターンのお話、って言うか。
そんな感じになるところが、コルネリウス君のキャラなのかいな、とか思ったり。
これが銀髪の従兄殿なら、自分の物語に関係ない死者の言葉など、耳に入れない。仮に音として耳に入れても、決して物語の中で取り上げなどしまい、とか想像しちゃうんですよ。
コルネリウスは、そこがなだらかというか、穏やかというか、平く世界をまずあるがままに見る子、なのですよ、と、ここは説明している場面なんじゃないかと、想像したりしている訳です。死者ども、みんな勝手なことを言っていて、それに行儀よく耳を傾けるウサギさんという描写、なんかイイですよね。
フィールドのセリフも回収しておきましょうか。
商人亡者
「毒殺するなら毒薬はここに…」
「…あいにく暗殺用のナイフは
手持ちにはないが…」
バレンタイン王
「…何をしておる、こっちじゃ」
「死霊どもに気を取られて
はぐれるでないぞ」
ガイスト商人
「毒殺するなら毒薬はここに…」
「…あいにく暗殺用のナイフは
手持ちにはないが…」
ガイスト商人
「宝は誰にも渡さんぞ…」
「!…金を持っているなら…早く言え」
「私は強欲でいまだ彷徨っているが
…これも悪くはない」
さて、バレンタイン王の登場です。
前回のリプレイ日記、自分があの続き、何を書くつもりでいたのか、正直あまり覚えていないんですけど。
変身について書いていたことを、改めて読み返して考えました。
前回、おれが書いていたのは、変身という発想には、そもそも不変の何かが前提されていて、それを強調する方便としての変身なのではないか、ってようなことだと思ったんですけど(自分の書いたことなのに推定)、ま、それもそうかなぁとは思ったんだけど。
それ以上に、変身、って言葉には「あくまで一時的な」って可逆性の要素が強く含まれている気がするんです。
成長とか、老衰とか、そういう不可逆的な決定的な変化ではなくて、仮の姿を一時だけ借りている、っていうイメージ。
うーん、でもさぁ。そんな、一時的な変化なんて、実際は、そんなにあるもんなのかいな、みたいな。
自宅では寝ぼけまなこで鼻くそほじったりしてても、職場では、きりっと「仕事デキマス」系の身づくろいをキメている、とか。友達の前では大口かっぴろげてギャハハハ爆笑しても、彼氏の前では、可愛らしくはにかんでみせる、みたいな変身とか。
まあ、そういうのは、確かに一時的なものかもしれないけど。
でもさ、本当は、すでに取り返しのつかない、決定的な変化なのに、本人だけがそれを認めたくなくて、いや、これは本当の自分じゃない、あくまで一時的な変身に過ぎないんだよ、と、思いこもうとしている。
実は、そういう「変身」ってあるんじゃないのかな、とか。
バレンタイン王、そして、先のタイタニア王、立て続けに登場してくる、文字通りの過去の亡霊。
変わり果てた姿、そう、まったく不可逆的な、一方通行の。
死、そのものの姿。
第一章の最後で、前篇のラスボス、死の女王がいきなり倒される、っていうのは、まさに、死の不可逆性を改めて強調するためではないか、とかおれは感じてしまったりするわけですよ。
オーディンスフィアの世界観では、生と死の世界は行き来できるとは言え、そこまで気楽ではないわけです。やはり、何か決定的な変化ではあり、どうしても戻らないものがある。わずかな交通でさえ、多くの代償が要求される。
にもかかわらず、死者たちは現世に働きかけようとする。ガロンは剣を授け、バレンタイン王も取引を持ちかけてくる。
まるで、己が死を、可逆的な、一時的な、「変身」に過ぎぬ、と信じるかのように。
その点、実は、他ならぬ我らのコルネリウス君も、同じですよね。
自分は「変身」したに過ぎぬと。必ず、元の姿に戻れるのだ、と。
さて、幾千年を経て、彼が元の姿には戻れたことは、今のおれは知っている訳だけど、果たしてそれは、もと通りと言って良いものか。
屋根裏部屋の読書少女アリスが物語を読み終わって。
「こんなの嘘のお話よ…」
その世界の物語を愛し、信じた、一人の女の子が、「お話のお礼に」差し出したコインが、呪詛を解き、魔法を失わせる。
それは、果たして、もと通り、ってことなのかな。
さて、例によって、おれは想像します。
オーディンスフィアの主人公って、やっぱりアリスなんじゃね、って。
コルネリウス篇は、それを示すための伏線なんだと思ったりしてしまうのですよ。
グウェンドリン編でぐいぐいと物語に引き込んでおいて、もう、頭の中、グウェンドリンやオズワルド様のあれやこれやでいっぱいで、まるで彼らを実在する人々であるかのように、熱苦しく思いつめるプレイヤー(って、おれか)に、いいや、これは、お話だよ、と。
彼らは、あくまで、プレイヤーの頭の中にしか、いないのだよ、と。
物語の主役は、君自身なのだよ、と。
そう語りだすための、前準備としての「人ごと」感なのかな、とか想像しているんですけども。
ま、その辺はおいおい詳しく書きます。
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