オーディンスフィア リプレイ日記16 「ワルキューレ」第五章━ホームポイント━
ようやく第五章です。
いつもなら開始時、ホームポイントの左端に立っていたように思ったんだけど、あれ?
ここのホームポイントだけ、右端のプーカ商人の近くの場所から始まる。なんだろう。なんか意味あるのかな。
まあいいや。話しかけやすい順番ということで、今回は右端から話しかけてみました。
プーカ商人
「お姫様、お食事はいかがですか?
私の魔法で良い店にお連れしましょう」
商人が一番近くなのは、食事のチュートリアルをしなくちゃいけないからなのかな?
天からエビが降ってくるのは衝撃だったよね。
グウェンドリン
「あの方はまだお帰りにならないの?」
ミリス
「まだでございますよ」
「この頃、口を開けば
オズワルド様のことばかりですね」
グウェンドリン
「そんなことは…」
ミリス
「それにしても帰りが遅いですわね…」
お、ラブコメがおるぞ。こいつラブコメじゃ、ラブコメじゃ。
なぜか広島弁で囃し立てたくなったりしませんか。しませんね。
グウェンドリンの「そんなことは」って本気でムキになりかける演技もいいですけど、ミリス役の伊藤美紀のからかうような、でも温かいまなざしを表現する声の演技が素晴らしいなぁ、とか。
また、おれの勝手な想像の話ですけど。
ここまでくだくだと書いてきたのは、グウェンドリンって、自分の望みを素直に表現できない子なんじゃ、ってことでした。彼女は、まるで自分の率直な欲求が、ものすごく悪いこと、汚いことみたいに感じているんじゃないか。
本当なら、別になんでもないことなんです。女の子っぽくしていたいとか、なおかつそんな自分を可愛がってもらいたいとか。でも、その気持ちは抜きがたく罪悪感にさいなまれる。
罪悪感、ってのが、グウェンドリンのとても大きなテーマなんだろうなぁ、って。おれは思っている訳です。
そういう想像の線からオズワルドの登場を見ると、シナリオの鮮やかさがかっこいい。オズワルドは、彼女の言うように祖国と臣民の仇敵なわけで、夫婦として添うのは、故郷の戦士たちへの裏切りではないか、という罪悪感。一方、その婚姻は自分自身の反逆行為への償いであり、父王の命でもある。添わないことにもまた、罪悪感がある。
その板挟みの中で、ティトレルの指輪を献上するため故郷に帰る、という名案を思い立つわけだけど、じゃあそれで本当に赦されたような気がするか、っていうと、違う。実際やってみたら、かえってもやもやは深まっちゃう。
どこに行っても、何をしても、自分を正しいと、間違っていないと、スッキリした気持ちにはなれないまま。
しかし、それでも、グウェンドリンは古城に帰ってくる。オズワルドの古城だというところで、何かをあきらめ、でも、何かをあきらめられない、彼女の葛藤と矛盾を、すごい想像してしまったりするわけで。
この時点でのオズワルドへの彼女の気持ち、それこそ恋や愛ではないだろうな、って、おれは想像しています。なんかよく分からない釈然としない、もやもやだろう。そこでミリスが、その気持ちを、受け止める。からかって、っていうやり方が、本当にちゃんと受け止めている感じ。「そんなことは」とムキになって否定するグウェンドリンを、愛情深く笑うんだよ。
そう、確かに、グウェンドリンのささやかな望みは、可愛らしい、微笑ましいもので、罪悪感とか、赦すと赦されぬとか、そんな御大層なものではない。ちょっとぐらいわがままだったり理不尽だったりするかもしれないけど、「あらあらまあまあ」と、「しょうがないわね」ってすませていいようなこと。
本当は、世界の終わりじゃない。
わけのわからない、とり憑いてくるような罪悪感は、笑うしかない、って卓見だと思ったなぁ。赦されるとか償うとか、がっぷり四つに組み合う限りは、泥仕合。しょうがないね、って、まいっか、って、気にしない気にしないと弛緩するしかない。そういうものだ、と笑うミリスって大人っぽくてカッコいい。
ブロム
「なんとおてんばな方じゃ
行き先も告げず、心配しましたぞ」
「姫に何かあれば
あやつが悲しむ」
ブロムさんが、好きなんですよ。松岡文雄。
おてんば。この言葉のセンス、最高です。じじいっぽいです、もうたまらん。
女の子が「おしとやか」なのが当然の時代の言葉です。「おてんば」と言われる子は、多分普段八割以上はおしとやかです。たまにアクティブになるところを「おてんば」と呼ばれる。そんなイメージでいいでしょうか。
「おてんば」ってのも、また、愛情をこめてからかう言葉だよね。意味としてはネガティブっぽいかな、でも、もう既に許してしまっている言葉だ。「そこがかわいい」という意味が含まれてる。
ミリスも、ブロムも、「確かに君はダメなとこもある。でも、まあ、いいじゃないか。そこもカワイイよ」って雰囲気で、グウェンドリンを理解しようとして、そこにいる。追いかけてきて抱きしめるような、暑苦しい愛情ではなくて、でも、そこを動かず。
この家族観、っていうか、親っぽさ、っていうかさ。おれはすごい落ち着く。安心感というか。こういう感じが、なんか、大人っぽいと思ってしまったり。
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