オーディンスフィア 二次創作小説 その2 グウェンドリン×オズワルド 「みどりなる森」
ムラムラしてカっとなって書いた。後悔はしてn(ry
二つ目です。当社比120%パワーアップして、さらに雑になりました。(そういう方向性か)
少しエロティックにしようと思いつつ、ポルノにはならないよう気を付けました。もちろん小学生でも大丈夫。ご安心ください。
お目汚し失礼いたします。
舞台は辺境の古城、「ワルキューレ」終章から数日後、「終焉」の前です。
では。
オズワルド様って、意外に。
━━貧乏性……
という言葉は、ラグナネイブルにはなかったが、知っていればグウェンドリンは使ったかもしれない。
彼ら夫婦には、仕えるべき主も無く、果たすべき務めも無かった。日がな一日、惰眠を貪っても良かった。
しかし、オズワルドは折り目正しく、毎朝、清々しく出かけていく。城内や領地を見回りにいくのだ。
ほほに優しいキスの気配を感じて、グウェンドリンがようやくまどろみの中から意識を拾い上げると、もう既に、黒い鎧で完璧に身を固めた彼が立っている。
朝日の斜光に、ほんの少し赤みを帯びた不思議な銀髪を透かせて、穏やかにグウェンドリンを見つめているのだ。
グウェンドリンとしては戸惑う。彼女において、凡そ結婚生活とは、即ち戸惑い続けることに他ならなかった。
オズワルドは、その手で、寝乱れた彼女の髪を優しく梳いてくれる。そして、さらに彼女を戸惑わせるような言葉を二三耳元にささやいてから、いつもの律動的な歩調で立ち去っていく。
残されたグウェンドリンは、しどけなくシーツにくるまり、寝室のバルコニーからぼんやりと眼下の領地を見下ろすしかない。
森は、どこまでもみどりだった。
━━今朝も行かれてしまった。
ミリスを呼んで、身支度を整えるべきだった。……しかし、そう急ぐこともない。どうせ、昼頃までは、彼は戻らないのだから。
指先で、寝乱れたシーツをまさぐる。仄かに、彼の体温をまだ感じる気がする。あ、この髪は……彼のだ。自分のものより赤みの強い、まっすぐな銀髪を一本拾い上げた。
なんとなく、その髪を口に含む。
舌先が彼の味を探していることに気がついて、頬が熱くなる。
誰もいなくて良かった。
自分は、このごろ、痴れているようだ。いつも、彼のことを考えている。頭や瞳で思うだけでなく、指で、舌で……身体で。
体に、力が入らない。
小さな部品にまで一度すっかり解かれて、再び人の形に編みなおされた鎧のようだ。新鮮に、産みなおされたような。でもまだぎこちなくて、しっくりこない。
毎朝こうだ。
彼との、時間で。自分が本当に、芯から解かれる感じだ。すでに裸なのに、もっと裸になる。
最初は、絶対に不可能だと思った。自分の周章を微笑ましく思い出す。赤ん坊が出てくるのだから、入るのもこのくらいで不思議は無い、と、理屈では割り切れても、無理だとしか思えなかった。
しかし、無理ではなかった。
思ったよりも、慣れるのに時間はかからなかった。慣れる、というよりも。自分の肉体が、本来そんな風に出来ているのだと、納得がいく感じ。戦士として、自分の身体を知り、使いこなしているつもりだったが、本当は、何も知らなかったのだ。
もともと、身体を動かすのは得意な方だ。この体の新しい使い方にも、馴染んできた。
━━オズワルド様の方は、どうなのだろう。
もっと、いつもでも……私は構わないのに。
もし、いまも、ここに。あの方がいて下さったら。そしたら、私は。
とそこまで考えて、グウェンドリンは頭を振った。
いけない、朝から何を考えているの。ミリスやブロムの目もある。落ち着きなさい、グウェンドリン。
━━いや、考えるのもいけない、ということでもないのかも知れない。
考える、どころか、実際二人が、朝から寝台で戯れていても、咎めるものは誰もいない。
城を与えて、娘と娶せて、ということであれば、世界では、オーダインがオズワルドを後継ぎと見込んだような印象を持っているかもしれない。
しかし、事実は違う。ラグナネイブル領内とはいえ、事実上、独立国のように、いかなる干渉も拒んでいる。オーダイン、オニキス、オデット、幾多の障害を二人は実力で排してきた。世界に、この夫婦に掣肘を加えられる、何者が残っているだろう。そう。世界全てを相手取っても、かならず我らが勝つ。
━━だというのに、何を気にかけて、オズワルド様は、こうしてお出かけになってしまうのだろう。
グウェンドリンの思考は振り出しに戻る。
やはり、自分に何か、至らないところが。
考えないようにしているが、どうしても、そう思ってしまう。
春の花の色をした、自分の爪。見つめてグウェンドリンはため息をついた。
何が至らないのか、ミリスにも何度も聞いた。ブロムにさえ、尋ねたことがある。でも、二人とも、定まって、彼女に非の打ちどころなく、オズワルドも心から彼女を愛している、と判を押したように保証するだけだ。
やはり、二人の知らない……閨の出来事に問題があるのだろうか。
ぱふっと行儀悪く再びベッドに倒れ込み、枕を抱える。
王国にいたときから、床入りの作法については、一通り修めさせられていたし、年嵩のワルキューレ達から聞き齧った知識もあった。しかし、彼女達にとってはおぞましい儀式であり、グウェンドリンもあまり熱心には学ばなかった。詳しくはなかった、と認めねばなるまい。
おおむね、聞いていた通りに事は進んだ。……と思う。正直、その過程を、把握できていない。幾晩繰り返しても。
最初の方は覚えているのだ。夜毎、暗闇の中、独り、褥で待っている。やがて、オズワルドが寝室に入ってくる。ここまでは作法通り、何の遺漏も無い。
やがて、衣擦れの音が聞こえ、衣服を脱ぎ去ったオズワルドが、自分の傍らに近寄ってくる。イランイランに似た彼の肌の匂い。甘いような、それでいて、刺すような。体が、深いところからおののくような気がして、そして、彼の逞しい腕が、力強く、しかしどこまでも優しく……
そのあたりから、記憶はにわかに叙実性を失う。
鮮烈なイメージがある。香りや、感触、そして、闇と、光の。
そして、断片的に、エピソードの記憶がある。
「大丈夫かい?」と耳元で彼が囁いてくれたこと。ちゃんと応えたいのに、息が乱れていて、うまく声が出せないことがとても恥ずかしかった。
でも、流れがつながらない。うまく思い出せないのだ。そのこと自体が、グウェンドリンには意外であり、残念でもあった。オズワルドと過ごす、本当に二人だけの時間を、克明につなぎ止めておきたいのに。
いや、残っている。深く、文字通り打ち込まれるように、その記憶は残っている。ただ、朝の光の中では、うまく思い出せない。
きつく抱きしめた枕に顔をうずめる。
もし克明に思い出したら。たまらない。とてもこうして、穏やかに彼の帰りを待ってなど居られない。
いや。
それを言うなら、とても、いまの心情だって、穏やかとは言えない。
━━……。
仰向けたまま、両足をピンとまっすぐ天井へ向けて揃えた。そこから大きく両足を広げ、思いきり旋回させて、反動で両手で立ち上がり、開脚倒立の形。
勢いよく足を閉じる、その力に乗って寝台から飛び上がり、ひねりを一つ加えると、バルコニーにぴたりと着地した。
━━あなたは。いったい何を待つというの、グウェンドリン。
翻った寝衣が、ふわりと、再び体の線に沿った。ひどくあられない様子になってしまった。急いで身支度しなくては。
「ミリス! ミリス!」
ややせわしなくミリスを呼ぶ。控えの間にいたらしいミリスの返事がくぐもって聞こえてくる、のも待たず、武人らしく直截に寝衣を過ぎ捨てた。
━━追えばいい。そして尋ねればいい。
今すぐ飛び立ちたい。
「ミリス! まだですか?」
はいはい、ただいま、と、ミリスのあきれたように笑みを含んだ声が、幔幕の向こうから答える。
グウェンドリンは、バルコニーに立って、眼下の森が切れて、空に切り替わる稜線を見つめた。やや日差しを強めつつある朝の光に、素肌を晒して、ミリスが身支度の用意を整えるのを待った。
そうよ。オズワルド様は、受け止めて下さる。
ありありと彼の微笑みが脳裏に浮かび、青空に溶けた。
おしまい。
読んでくださってありがとうございました。
グウェンドリン若妻編。というか、バカ妻編?
前のSSで「鳥オズ」と言いつつ、全然オズワルド様が出てこないことに気がついたので、今回は出しました。
冒頭だけ。(ヲイ)
セリフもありませんが。(コラ)
いや、オズワルド様好きですよ?
おれも現代の人なので、セックスは実体験以前にネタばれしてしまったクチです。今時、AVの一つも見たことなくて、媾合の実際に及ぶ人はほとんどいないんじゃないかしら。
でも、もし、そのことに、余計な先入主がなかったら、それはどんな体験になったのだろう、って、ときどき夢想してみたりします。
鳥オズ夫妻はそんな感じでは、と思って、グウェンドリンの、結婚から始まるヰタ=セクスアリス、を狙ったつもりでしたが、なんだか「ふたりエッチ」風に。
しかも、グウェンドリンが、大変貪欲な感じになってしまいました。
清純派の彼女が好きな方には、申し訳ない。
今作で、オズワルド様が妻を置いて出かけて行ってしまうのは、多分、体力が限界だからです。きっと、頬とかげっそりしています。目にも力がありません。「りょ……りょうちのみまわり……」と千葉進歩の声もかすれながら言い訳して、今頃は木陰で、つかの間の休息をむさぼっているのです。
それなのに、そこへ、飢えたワルキューレ(元)が、音も無く飛来してこようというのです!!
にげてー! オズワルド様にげてー!
……えーと、とにかく、いろいろすみませんでした。
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