オーディンスフィア リプレイ日記8 「ワルキューレ」第二章
リプレイ日記7の続きです。先に7読んで…読んでなくても、別にわからなくなったりするような内容ではないですが。
グリゼルダが命がけで闘っていたから、グウェンドリンが守られていた部分もあるかな、みたいなこと前に書きましたけど。
でも、そのためにグリゼルダもいっぱいいっぱいで、その努力が、本当や自身や妹の為になっているか、考える余裕がなかったのかも。あるいは、それを考えるのが怖くて、ひたすら目前の戦いの中へ逃げ込んでいたのかも。
そういう姉の余裕のなさ、姉の恐怖感、そんな部分を、支えていたのはグウェンドリンだったのではないか。グウェンドリンにとってのミリス的な存在って、グリゼルダにとってはグウェンドリンだったんじゃないか、って。
きっと、グウェンドリン自身にも、姉と同じ恐怖もあっただろうと思う。「闘えば本当に父が愛してくれるのか」とか、怖くて、とても考えられない。否定的な答えが出てきてしまいそうな予感が、内心にひしひしと満ちているから。だから、姉と共犯関係になった。
また、姉に、甘えたい気持ちがあったのも理由かもしれない。姉に従い、姉を支えることで、自分を守ってもらいたかった、自分自身は戦いから一歩引いていたかった、そんな気持ちもありそうです。そんな風に甘えちゃったことを、グウェンドリンは姉に対して申し訳なく感じているところが、強いように感じます。
でも、ただ、それだけじゃない。亡きグリゼルダに対して「話が違うじゃない」と、本当は抗議したいんじゃないか。
姉は、自分だけ何かを成し遂げたような満足げな顔をして、ひとりで逝ってしまった。
でも、それが何になったというのか。それで得られたのは武将としての栄誉だけではないか。お父様が褒めて下さる、お姉様は確かにそうおっしゃったのに、だから、私も信じて、崇めて、ついてきたのに。
違った。
では、私はこれからどうすればいいの。
お姉様はあんなに自信に満ちて、真理の卸元のようだったのに、今になって、間違っていたことが分かるなんて。しかも、姉は、いわば勝ち逃げだ。自分だけは達成感の中で充実して死んだ。
「ずるい」と、グウェンドリンは絶叫したいのではないだろうか。
この場面でのグウェンドリンにとっては、ベルベットは、まだ全然関係ない人と思っているはずなんだけど。しかし、どこかにグリゼルダのイメージが重ねられている感じがするんです。
年恰好がグリゼルダと近いし、サイファーも持っているし。自分よりやや年上くらいの若い女性で、上から見下ろすように話しかけてくる相手なんて、グウェンドリンには、多分、姉しかいなかったでしょうし。連想する要素はいっぱいある。
でもなにより、さっき書いた「こっちだって、いろいろ大変なのよ。あんたみたいなお子様にわかんないでしょうけどね!」と言わんばかりの物腰が、一番、生前のグリゼルダを彷彿とさせたんじゃないかな、とか。
「お姉ちゃんが大変だろうと思うから、私はずっと言うこと聞いてたんじゃない!」
「自分ばかりかっこつけて、満足して死んで」
「それなのに、私は置いてきぼり」
「お姉ちゃん知らないでしょうけど、あんた間違っていたのよ!」
グウェンドリンは、言いたいことが、いっぺんに駆け上がってきたりしたのではないかな。
それなのに、目の前の女性は言うのだ。
「そんなものは魔王に都合のいい虚言なのです」と。
王が皆を騙しているというのか。
自分達が、自分と姉が、王のために命をかけて戦えば、きっと愛してもらえると信じているのが、嘘だというのか。
なぜだ。
なぜ今更そんなことを言う。
お姉ちゃんがそう言ったから、私は信じたんじゃないか。
愚弄すると許さんぞ!
てな感じ?
この時点では、八つ当たりと言ってもいい怒りをベルベットに向けている、とおれは思いました。
それが、八つ当たりだけど、八つ当たりじゃなかった、という展開で、話がぐぐっと面白くなっていくわけです。
この話はもうちょっと続くけど、長くなったから、続きはまた今度。
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